起業でよくある失敗事例とその解決策一覧

  •  物件探し

    よくある失敗事例

    M氏は大手メーカーの事務員。趣味で始めた占いがとても良く当たると評判になり、口コミで鑑定依頼がくる。カフェ店もやりたいと考えており決断、占いのできるカフェを開店した。占いが趣味の領域を超えプロの腕前。
    占いカフェがやりたくなった。ただし飲食店の経験はない。とあるコンサルタントに相談したところ「良い立地だから簡単に売り上げも上げられる」との言葉を信じ、家賃は50万円の物件を契約。しかも5年契約。家賃が重く黒字化には程遠い。

    解決サプリ

    ビジネスプランの検討では、アイデアだけでなく事業性を考える必要がある。あおられても熱くならず、冷静に判断する。一人の専門家だけでなく、セカンドオピニオンとして起業コンサルタント(R)など、他の専門家の意見を聞くことも重要である。無料相談を活用するのも手だ。

  •  許認可

    よくある失敗事例

    D社の代表A氏はこれまで人材派遣会社で営業、管理職を経験して独立。資本金を200万円で会社を設立した。人材派遣は2000万円の資本金が必要であることが判明。自己資金と親、兄弟、親戚からなんとか工面して立ち挙げた。

    解決サプリ

    許認可の必要性や要件などについて確認できなかった点がマイナスポイント。実力があるだけに、スタートダッシュで出遅れた点はもったいない。クリアするべき許認可に応じて、行政書士や社会保険労務士などの専門家にしっかりと確認すること。

  •  創業融資

    よくある失敗事例

    中古車販売店に勤務するM氏。3年勤務しそろそろ自分の店舗を持ちたいと考え起業を決意した。不動産屋を周り良い物件を探し出した。不動産の申し込みを済ませ、いざ融資の申込みを行おうと日本政策金融公庫に行った。出てきた担当者と話を進めていくなかで、自己資金はいくらですか?との問い合わせに、「ありません」と回答したところ、自己資金を貯めてきてからまた来てくださいといわれた。自己資金がないから融資を受けたいのにこの人は何言っているのか理解ができなかった。

    解決サプリ

    融資を受けるにあたり、自己資金が必要である。他人のふんどしで相撲は取らせないのである。自己資金は努力の表れとして評価される。自己資金の貯め方、経緯をしっかり確認されるので、起業を考えたらしっかりと貯蓄をするべきである。創業融資の合格率は素人のみの申請では、著しく下がる。できれば創業融資に精通した税理士や中小企業診断士に事前に相談しておくことである。

  •  内装工事

    よくある失敗事例

    首都圏の政令指定都市で飲食店を開業した個人事業主W氏。W氏は誰もが知る有名店にて5年修行し、調理長まで任された実績を持つ。そろそろ独立し店舗を持ちたいと考えていたところ、小さいが立地の良い店舗が見つかった。内装工事の見積もりをとある業者に依頼した。その業者は有名店のデザインや施工を手がけており、とても信頼できる営業マンであった。デザイナーと打ち合わせを重ね、満足のいく仕様の提案をもらった。建材にもこだわり抜いたため、見積もり金額が跳ね上がり、融資が借りられたとしても到底届かない見積もりである。時間もないので少し内容を切り詰め、足りない資金は不動産担保ローンで対応した。

    解決サプリ

    内装工事の打ち合わせは楽しいものだが、仕様決定は合理的に行うべきである。内装工事業者は材質・見栄えの良いものを提案してくるものである。見た目が良い店舗の方が繁盛すると考えるためである。確かにそういう面もあるが、飲食店の繁栄は内装だけではない。内装工事費用を極力切り詰め、味やコンセプトで十分勝負している店舗もある。いいなりにならずに予算をしっかり伝え、切るものはしっかり切る信念も重要である。相見積もりをとったり、見積もり明細内容を精査できる点も内装工事削減には重要である。創業融資の借入可能額の見込みとも絡むため、創業融資に精通した税理士や中小企業診断士などの専門家と相談しながら進めるべきである。

  •  税務会計

    よくある失敗事例

    全国に顧問先を持ち、公演やセミナーなど多彩な活躍をするコンサルティング会社Q社。代表がこれまでの経験から編み出した独自理論のコンサルティング技法が、多くの顧客から支持を得ている。売上も倍々で増えており、納税負担も多くなってきた。顧問でついているのは知り合いの紹介で契約をした税理士。しかし、正しい会計処理をすることのみに集中し、経営全体や資金繰り、節税等のアドバイスが一切なかった。

    解決サプリ

    税理士の役割は、いわばかかりつけの医者のようなもの。単に正しい会計処理を行うだけではなく、ときに経営全体を俯瞰し、先回りして最適なアドバイスをしたり、励ましたりと、伴走者として機能してほしい存在だ。税理士を選ぶ際には、税務会計の能力だけでなく、経営全体のアドバイスをしてもらえるかを重視すること。無料相談で見極めよう。

  •  人事労務

    よくある失敗事例

    板金加工会社K社のS氏は地場の同業者で長年修行した後、独立した。古巣の会社からの受注や前職でのつきあいで仕事は好調で先の決算では黒字であった。S氏の他1名の役員A氏がいる。A氏もK社設立にあたり、出資をしている。しかしA氏の仕事振りがあまりよくないため、今回の役員報酬改定で減俸を行った。

    解決サプリ

    A氏の仕事振りが役員として足りないのはわかる。ただ利益が出ている以上減額された方は納得がいかない。人間は感情で動く。代表は役員や従業員のモチベーションを如何に高めていくかを考える。感情(モチベーション)を高めれば必ず業績に返ってくる。社長は大きな心を持ち、できない役員でも自分の指導が足りないせいだと考えるくらいの気持ちが重要である。経営の根本は「人」だ。こうしたことまで指導してくれる社会保険労務士などの専門家を選びたい。

  •  ビジネスモデル

    よくある失敗事例

    コンサルティング会社Z社。提供メニューは企業への研修事業、不動産仲介事業、ファイナンシャルプランニング事業など多数ある。代表は大学卒業後大手アパレルメーカーに勤務。転職し大手コンサルティング会社に勤務。D氏は企業研修コンテンツ作成や講師をやったことはない。宅建免許はもっているが不動産業の実務経験はない。FPの資格は持つが、こちらも実務経験がない。思いついたアイデアはとりあえずやりたがる。どれも中途半端で成果が全く出ていない。

    解決サプリ

    ビジネスは経験がものをいうところが大きい。アイデアだけでビジネスはうまくいくことはまずない。経験がなければ経験者を連れてくることも検討する。ターゲットを明確に設定し、事業を拡散させない。起業に成功するか否かはビジネスモデルに依るところが大きい。事前に起業コンサルタント(R)などの専門家に相談して構想を練り上げておきたい。

  •  集客・販売促進

    よくある失敗事例

    アパレルセレクトショップを開店しているA氏。個人事業主として開店してから2年目になるが、売上が思うように伸びない。これまで人脈に頼った紹介営業を行っていたが、一巡にしてしまい、リピートも思うように繋がらず苦戦している。A氏はパソコンが大の苦手で、コンピュータに関することは全て拒否している。ホームページやECサイトなどは持っておらず、またSNSやブログもやったことがない。

    解決サプリ

    インターネットでの情報発信に力を入れていくべきである。自社Webサイトを構築しコンセプトや商品、店舗の場所などを発信していく。頻繁に更新し、Webサイトの内容を充実させる。リスティング広告を実施し検索時に上位に表示させるよう促す。リスティング広告でクリックされたとしても表示されたページの内容が乏しい場合、直ぐに他のページに移ってしまうため、ページの充実が重要である。もしそうしたことが苦手であれば、Webマーケティングの専門家などに相談しておこう。

  •  退職の仕方

    よくある失敗事例

    従業員7人の健康食品卸売会社I社に勤めるE氏。中途でこの会社に入り、I社で5年間ひたすら営業に邁進してきた。顧客からの信頼も厚く100社の得意先を持っている。実績を買われ現在は営業課長として部下4人を抱え、信頼も厚い。ただしI社の社長は取引先からの出向であり、E氏のことを良く思っていない。何かと邪魔ばかりしてくる。社長は他の部下からも信頼されていない。このような状況下でE氏はI社からの独立を考えた。信頼関係のある得意先数社に相談をしたところ、「是非応援する。仕事もE氏に出す」と言ってもらえた。自分がいなくなった状況では、部下も苦しいかと思い、起業する会社に来るよう働きかけた。ほとんどの顧客はE氏の新会社との取引に切り替え、起業は順調にいったが、売上の大半を奪われたI社は、資金繰りに窮し倒産寸前である。そんなおり、従業員の引き抜き行為があったことを理由にI社から訴えられてしまった。

    解決サプリ

    従業員が自らの意志で自然についてくるなら話は別だが、積極的に引き抜きしてしまった行為はよくない。従業員の引き抜きには注意をするべきである。事前に弁護士に相談しておくことをお奨めする。

  •  補助金・助成金

    よくある失敗事例

    都内に設立した広告代理店G社。代表のU氏はこれまで大手広告代理店にて営業を行ってきた。U氏は起業家向けの広告代理業務を行うが、事務所は持たず人も雇わないので、大きな固定費は発生しない。創業補助金へ申し込んだが採択されなかった。お金がもらえると聞いたのでラッキーと思い申し込んだが、予想していた経費は補助対象ではなく採択されなかった。

    解決サプリ

    補助金は国や自治体などからお金がもらえる制度だが、使ったお金がなんでも対象になるわけではない。補助金の趣旨に沿った経費でなければならない。例えば創業補助金では従業員の人件費や事務所の家賃は補助対象になるが、持続化補助金では対象にならない。対象経費が使えない計画ならば、採択される可能性は極めて低く、申し込むことすら徒労に終わる。事前に補助金に精通した税理士、中小企業診断士などの専門家に相談し、正確な情報を収集して検討することである。

  •  契約書

    よくある失敗事例

    コンサルティング会社を設立したI氏。これまで大手コンサルティング会社B社でIT系のコンサルティングを行ってきた。独立したはいいが、まだ独自の集客が難しかったため、B社から仕事をもらう下請けとしてしばらく繋いでいこうと考えた。B社も気心しれたI氏との協業に快く応じてくれ、パートナーとして契約することになった。契約内容は5年契約で専属になるという契約であったがよく見ずに契約してしまった。元上司で言いやすいので、途中で辞めたければそのときに言えばいいと考えていた。そんな折、G社からの仕事依頼があり、B社の仕事を一時的に休みたいと申し出ることにした。しかし担当していた元上司が異動になり、後任の担当者は専属契約のためG社の仕事を行うことは契約違反なので認められない。もしやるのなら契約書にあるペナルティをしっかりと払ってもらうと言われてしまった。

    解決サプリ

    不利な契約書を結んでしまった。早く仕事に結びつけたいという気持ちはわかるが、仕事は契約内容を含め慎重に検討したい。起業仕立てのころは先方に有利な契約書を結びがちだが、その契約により将来悲惨な事態になることもある。弁護士に相談することも含め、契約は慎重に進めたい。

  •  フランチャイズ

    よくある失敗事例

    女性専用エステサロンのFCオーナーとして開業したD氏(男性)。とある商業施設で3つのベッドを持つ店舗をオープンした。代表の前職は、菓子メーカーで営業として勤務。在職中独立を考えていたがノウハウが乏しいためFCのオーナーになることを検討。様々なFCを検討したところ支援体制がしっかりしているエステサロンYに決定した。エステティシャンがいない場合は本部が派遣してくれる(有料)。本部へのロイヤリティは安い。本部の収益モデルは説得力があり、納得がいく。代表自身はエステティシャンの経験はなく、また男性のため女性への施術はできない。完全なオーナーであった。開店当初は採用がうまくいっていないため、本部要員の応援で対応。応援要員の外注費が社員給与の倍以上と驚くほど高かった。

    解決サプリ

    FCの選び方は慎重に。本部の収益モデルを鵜呑みにしない。自身でさまざまなケースを想定した事業計画を検討する必要がある。自分だけで判断せず、事前に起業コンサルタント(R)や弁護士などの専門家に契約内容を見てもらうだけでも、リスクは少なくなる。

  •  共同経営

    よくある失敗事例

    飲食サービス業Y社の代表者H氏。飲食店の経験はないが飲食業のコンサルティングを行いたく、実験店舗の位置づけでオープン。5名の共同出資で同社をスタート。祖師谷大蔵、下北沢、成城学園前3店舗で、それぞれイタリアンレストラン、バー、カフェを展開。祖師谷大蔵は閉鎖した。5名の共同出資者はいずれも飲食店経営の経験はない。5名全員が同額の出資(20%ずつ)。
    出店費用は予想以上にかかり、5人で出した金額では全然足りず、代表者が資本とは別で個人財産を投入。なんとかオープンにこぎつけた。外見上の出資比率は同じだが、実質的にはH氏が支配を持つ。うまくいかなくなり経営方針で対立。2名が離脱。株式の買い取り条件でもめている。

    解決サプリ

    意見が対立するのは当たり前。どんなに仲が良くて事業が始まれば必ず揉めるものである。うまくいっていないときほどもめる。そして誰かがいなくなる。親分、子分の関係を出資比率でも明確にしておく。撤退するときのルール(株式の買い取り条件、誰がいくらで買うかなど)を仲の良いときに決めておく。事前に弁護士に相談しておくと、トラブル防止にもなる。

  •  パートナー

    よくある失敗事例

    アパレル輸入会社T社。前職までの経験を活かしイタリアでのブランド品の買い付け、国内への並行輸入を行う。
    会計や給与計算、手続きはわからずまた本業に専念したいため、バックオフィス業務は専門家に委ねたかった。希望に沿う税理士を検討した。自分のビジネスモデルを話し、輸入や為替には理解があるようだった。ただ話していると税金と節税の話しかでない。融資や金融機関対応はやってことがないようだった。

    解決サプリ

    前職までの経験を活かし、良い品を日本へ輸入する同社。同社は仕入れたものを販売する商売である。多くのものが買え、販売できれば大きなビジネスになる。お金はいくらあってもいい。融資で資金を如何に多く調達するかがポイントとなる。融資や金融機関対応に強い税理士や中小企業診断士などの専門家を選定することで、同社の発展が期待できる。

  •  会社設立

    よくある失敗事例

    Y社の代表Y氏はこれまで大手美容院でスタイリストとして活躍。トップスタイリストを経て店長になる。前年比120%を達成し、全国1位の実績を作った。そろそろと思い良い物件が見つかったため、独立を決意。とりあえず株式会社にしようと考えた。設立に携わった専門家からは資本金はいくらでもいいのではとのアドバイスで資本金1万円で設立した。設立後間もなくして登記簿謄本が上がってきた。銀行に融資を申し込もうとしたが、融資はおろか、普通預金口座の審査すら通らなかった。

    解決サプリ

    まともに事業を行おうとするなら、資本金はしっかりといれるべきである。融資を考えるならば、最低でも100万円程度は必要である。1万円では本気で事業を行おうという姿勢が伝わらず、銀行口座開設すら難しい場合が多い。会社設立は自分のみで行わず、経営に関して多方面からアドバイスをしてくれる専門家(行政書士や司法書士)に相談してから行うことで、こうしたリスクを抑えることが可能となる。